その日から、私は透明じゃなくなった。


他の人にはまだ姿は見えないけど、


一人ぼっちの世界から抜け出した。




そう、私は一人じゃないんだ。


もう、透明じゃないんだ。




あの男の人が、


私をこの世界に連れ出してくれた。



あの暖かくて、大きな手で、


私をこの世界に。



今でも男の人は、


私の隣にいてくれる。




色んな話を聞いてくれる。


色んな感情を分かち合える。




男の人も、私と同じ、孤独な人だった



でも、今は違う。



二人きりだけの世界でも、


目の前がこんなに色鮮やかに


映るのは初めてだった。