「犯人が分かった!?これは、自殺じゃないのか!?」

皆が集められている部屋で、スミス刑事は叫ぶ。その様子に驚くことなく、オスカーは「あぁ」と頷いた。

「……一体、犯人は誰だ……?」

「……の前に、これを」

そう言って、オスカーはとある資料を見せる。

「コレラ……!?」

「そうだ。ここの資料室にあった、この資料はこの感染症研究センターで、調べているウイルスのデータしかまとめられていないんだ。前に話しを聞いた時は、コレラなんて研究していない、と聞いていたが、なぜここに資料があるのか?……簡単な話だ。脅したんだろう。コレラ菌のことを話すな……と」

「一体、何で?誰が?」

「……研究センターが潰されちゃ、困るから……だろ。で、コレラ菌のことを話そうとしたイチイさんを殺害した。違うか?……ハンス・オグル」

オスカーの言葉に、皆は一斉にハンスを見た。顔色を変えず、ハンスは「何でそう思うんだい?」とオスカーを見る。

「そうだよ。証拠も無いのに……」

スミス刑事の言葉に、オスカーはさっき撮った木の枝が並べられた写真を見せた。

「これは、モールス信号だ。これを解読すると、『H』。Hから始まる名前は……ハンスさん、あなただけ……この木の枝の上に、このコレラ菌についての資料があったんだ」