「オスカー!大変だ!」

勢いよく扉が開き、スミス刑事が転がり込んでくる。

「……大変って何がだ?」

スミス刑事の様子に慌てることなく、オスカーは尋ねた。

「昨日、感染症研究センターに行ったでしょ?その職員の1人が、屋上から転落して亡くなったんだ!」

「……っ!」

スミス刑事の言葉に、陽葵とオスカーは思わず顔を見合わせる。

「……それで、俺に調査してほしい……と?」

スミス刑事に目を移し、オスカーは言った。スミス刑事は、オスカーの言葉に頷く。

「……分かった。陽葵、行くぞ」

「分かった」

陽葵は、オスカーの言葉に頷いた。



感染症研究センターに到着した陽葵たちは、早速調査を始める。

「……亡くなったのは、イチイ・ロビンソンさん。演劇の学校を卒業している」

スミス刑事は、手帳を開きながら言った。

「……彼は、自殺したんですよ」

そう言いながら、小太りの男性が姿を現す。

「……あなたは?」

「初めまして。私は、ハンス・オグル。ここの所長だ」

ニヤニヤと笑いながら、自己紹介をするハンスを、陽葵とオスカーは快く思わなかった。

「……イチイさんのことについて、聞きたいんだが」