「……そうか。分かった」

少し時間が経ったあと、オスカーは微笑んだ。

「ロビンソンさん!」

イチイと同じ感染症研究センターで働く職員が、イチイに話しかける。陽葵とオスカーが最初に話を聞いた男性だ。

「……ん?どうしたの?」

「所長が呼んでます!」

「分かった。呼びに来てくれて、ありがとう」

イチイが微笑むと、男性はぺこりと頭を下げて走り出した。クルリとオスカーたちに背を向け、「それでは」と言いながら、イチイは歩き始める。

その背中を見送ったオスカーは、感染症研究センターの入口に向かって歩き出した。

「……ここもダメだったか。なぁ、陽葵……」

「はい。どうしました?」

陽葵は、オスカーの言葉に首を傾げる。

「……今更言うのもアレなんだが……敬語、止めてくれないか?俺、こう見えて25歳なんだ」

「に、25!?私と同い年じゃん!」

陽葵はオスカーをもう少し年上だと思っていたため、オスカーの年齢を聞いて陽葵は驚いてしまった。

「……そ、そうだったんだ!じゃあ、敬語は使わないでおくね!」

法医学研究所への道を歩きながら、陽葵はオスカーに向かって微笑んだ。



翌日。朝から陽葵とオスカー、エリカの3人は、今までの情報を整理していた。