「……あなたは、日本出身ですね」

「え……」

突然の男性の言葉に、陽葵は驚く。

「……やはり、そうなのですね」

困ったように笑う陽葵を見たスミス刑事は、呆れたようにため息をついた。

「おい、オスカー。人を困らせて、どうしたいんだ」

「悪かったね。そこのお嬢さんに刑事さん。いつもの癖なんだ」

表情を崩すことなく、男性は言う。

「は、はぁ……ところで、あなたは?」

「彼は、オスカー・ブラック。探偵だ」

スミス刑事は、陽葵とエリカに男性――オスカーを紹介した。

「そうなんですね。では、なぜ探偵がここに居るのでしょう?」

「スミス刑事から、今回の件を調べるように頼まれたんだ。監察医のあなた方にも、今回の件の調査に協力してほしい」

じっと陽葵を見つめながら、オスカーは言う。その目を見て、陽葵はため息をつきながら、ニコリと笑った。

「……良いですよ。協力します」



それから数日が経った。陽葵のもとに、検査結果が届く。陽葵が検査結果を開封する様子を、エリカ、オスカー、スミス刑事の3人は静かを見ていた。

「……え……?」

紙を見た陽葵は、驚く。検査結果は、陽葵が予想していたのとは、全く違うものだったのだ。