「ゆら〜、またあそこに行くの?」

「あ、うん。ごめんね、真瑚 (まこ) ちゃん。いつも一緒に帰れなくて」


終礼の挨拶が終わると同時に私の席まで来た友達の真瑚ちゃんにいつものように顔の前で手を合わせる。


「ううん、それは全然いいんだけどさ。それにしても毎日行くなんて、ほんと花が好きだよね」


綺麗な黒髪を耳にかけながら、苦笑いの真瑚ちゃん。


「…好きっていうか、まあ好きなのかな…。他の人に比べれば、昔から花に触れる機会は多かったのかも」




───なんたって、あの子がお花大好きだったから。


私も初めは全然興味なかったんだけど、あの子の影響もあって、だんだんとお花の魅力に惹かれていったことは確か。


今ではお花を見ながら、お花と触れ合っているときが一番落ち着くんだ。