私はびっくりして先輩の顔をじっと見つめてみるけど、その真剣な顔はとてもウソを言っているようには見えない。
「…はいっ、私も先輩といて、とても心地よかったです…!来ても全然いいですけど、さっきも言った通り誰にも秘密、ですよ?」
……むしろ来てほしい、なんて柄にもないことを思ってしまったことは、さすがに先輩にも言えない、よね。
「ああ、もちろん誰にも言わない。というか、言いたくないしな……」
…?
最後にボソッと呟いた先輩の言葉は聞こえなかった。
でも、誰にも言わないと約束してくれたことだけで私にとっては十分だった。
───それよりも。
「先輩に、この花あげますっ」
私はそう言って、たまたま花壇に生えていた
紫色のツンベルギアの花を一輪、そっと摘んで先輩に差し出す。



