ザッ……
靴の音、がした。
…!?誰……?
もしかして今の独り言、聞かれた……?
内心どうしようと焦りながら靴音がした方におそるおそる振り返る。
……っ!
そこに立っていた人物に、私は思わず目を見開いて釘付けになってしまった。
優しい風にサラサラと揺れている痛みを知らなそうな綺麗な黒髪、キリッと涼しげな目元に男の人にしては白すぎる綺麗な肌。
さらにはスラッと高い身長。
恋愛初心者の私でも分かる。
この人、すごくかっこいい…
多分、女の子達にすごくモテるだろうなぁ…
───でも。
それよりも何よりも私が気になったというか、惹きつけられたのは……
「……すごく、綺麗な瞳……」
黒くて美しい、その瞳だった……