今日も変わらず綺麗…


ホッと一息つくと、カバンをそばの地面に置いて花壇の前にしゃがみ込む。




私はここで特別“何かをしている”ではない。


ただ、一時間くらい花に触ったり眺めたりしながらぼっーとして過ごしているだけ。


それでも私にとっては“何かしている”というのには十分だった。




───私がここに来て十分くらい。


花壇に咲く花を見ながら、家で育てている花のことを思い出して、無意識に心の声が溢れる。




「……また今日も来ちゃった。家に帰っても花は見られるんだけど、なんだかここ、すごく落ち着くんだよね。なんでだろう……」


私がボソッとそう呟いて、この花壇の中では一番陽のあたるところに咲いているフリージアの花に手を伸ばそうとしたとき。