さてと、私も行こうかな。


予めまとめてあったカバンを持って立ち上がる。


「あ、ゆらちゃん帰るの?またね〜」

「バイバーイ、また明日〜」

「…あ、うん、また明日…」


笑顔で手を振ってくれるクラスメイトの女の子にペコッと頭を下げて挨拶してから教室を後にした。




教室を出たところで胸に手を当てて、ゆっくり息を吐き出す。


…やっぱりまだちょっと慣れない、こうやって声をかけられるのは。


昔は違ったけれど、あの子がいなくなってしまってからは変わってしまったから。


私も、当時クラスメイトだった人達も。


だから、高校へ入学して、あの頃に戻ったみたいな周りの変化に、私は未だに慣れずにいる。