黒い桜の花は、散ることしか知らない(上)

 2014年11月25日ー。
 今日は、給料日〜!!
 1ヶ月の成果分の給料〜!!
 その日の夜中、あたしは、19日に払えなかった、カケを払いに行こうと思った。
 そのことを、連絡しようと、Mに連絡したが、出なかった。
 それでも、カケだけは、払いたいと思い、店に向かった。
 店に着き、もう一度、Mに連絡したけど、出なかったので、中に入った。
 すると、入り口の所で、YTが居た。
 「えっちゃん?!!」
「YT?!!」
「どうしたの?」
「カケを払いに…。」
「カケ?
そっか。
ちょっと待っててね?」
「うん。」
 その時、Sが来た。
 「お〜。
どうした?」
「代表。
カケらしいです…。」
「カケ?
OK!!
ちょっと待ってよ?」
 Sは、店の奥に行った。
 Sが、居なくなってからは、YTと2人きりになった。
 「最近、寒くなったね?」
「うん。
寒くなった。
YT、風邪引かないでよ?」
「うん。
大丈夫。
えっちゃんもね?」
 YTと他愛のない、会話をしながら、Sを待ってると、Rが来た。
 「おっ!!
おはよう。」
「あ〜、画伯〜。
おはよう。」
「画伯って…。
えりちゃん、悪意を感じる…。」
「そんなことないよ〜。
背中に、画伯って書いた紙、貼り付けてあげる。」
「やっぱり、悪意が…、」
 Rと話していたら、YTが入ってきた。
 「画伯…?」
 あたしは、YTが、イラってるのに気付いた。
 「(YT、イラってない…?)
(気のせい?)
そう。
画伯って呼んでるの。」
「へぇー。
画伯ねぇ…。
どれだけ、絵が上手いのか知らないけどっ!!
よっぽど、上手いんだね!!」
「やっぱり、イラってる…?)
(何で?)
ある意味の画伯よ…?」
「もう。
えりちゃんが、勝手に付けたんじゃん…。」
 その時、Eが、奥から、YTを呼んだ。
 呼ばれる度に、「はぁーい。」と言う、YT。
 だけど、行かない…。
 Eに呼ばれる度に、あたしのことを、チラ見する、YT。
 何度も繰り返される、やり取り…。
 「YT、呼ばれてるよ?」
「分かってるけど…。」
 あたしを見る、YT。
 叫び続ける、E。
 「めっちゃ、呼ばれてるよ…?」
「うぅーーーーー…。
あーっ!!
分かったよ!!
行けばいいんだろ!!」
 怒りながら、Eのとこに行く、YT。
 Rと2人きりになった時に、Sがきた。
 「M居ないから、俺がするね。」
「うん。」
 カケを払い終わって、帰ろうとすると、Sに呼び止められた。
 「飲んで帰る?」
「ううん。
帰る。」
 あたしは、微笑んだ。
 「そうか。
気をつけて帰るんだぞ?」
「うん。
ありがとう。」
 あたしは、もう一度、微笑んだ。
 そして、Mにカケを払ったことをlimeし、帰った。
 帰りがけに、今日発刊の情報誌を持って帰宅。
 S2店のとこを見たら、指名変えOK!の文字が!!
 あたしは、指名変えを決意した。