黒い桜の花は、散ることしか知らない(上)

 ある日の夜ー。
 Mちゃんから、電話があった。
 以前、あたしは、Mちゃんに、「仕事って嘘つく時、えりちゃんの名前使っていい?」と言われた事があった。
 その時には、「土日に、SIに会う時、「仕事。」って言いたくて…。」と言っていた。
 あたしは、それを、土日の昼間に会う為だと思っていたので、快諾した。
 それが、全く、別だった事が、分かったのは、だいぶ後になってからだった。
 何も知らなかった、あたしは、Mちゃんの姑から、「あなたも大変ね。」と言われ、「これも、お客様のご要望なので。」と答えた。
 この時、早めに、姑との話しを終わらせようと、必死な、Mちゃんに疑問を持ち、気付けば良かった…。
 そんな中での、Mちゃんからの電話。
 内容は、「姑が、本当に、仕事なのか?」を聴きたがってるから、朝、迎えに行くから、口裏を合わせて欲しい。」という内容だった。
 この時も、まだ、あたしは、土日の昼間の事だと思っていた。
 だけど、朝になっても、Mちゃんから連絡なかった。
 不審に思った、あたしは、Yちゃんに電話した。
 この頃のYちゃんは、毎日、S2店に行ってたからだ。
 Yちゃんに事情を話し、「S2店が、終わったのか?」を聞いた。
 Yちゃんは、あたしの電話に驚き、KちゃんとMちゃん家にい向かってる事を、教えてくれた。
 内容は、あたしに言ったことと同じだった。
 Yちゃんは、Mちゃんに対し、怒って、あたしを迎えに来てくれた。
 3人でMちゃんの家に向かっている時、Mちゃんと連絡が取れた。
 「あたしに頼んでおいて、何の連絡もなく、Yちゃん達に頼むのは、間違ってるんじゃないの?」
「ごめん…。」
 Mちゃん家には、すぐに着いた。
 その間、あたしは、Mちゃんを責めた。
 何故なら、「離婚する。」と言い出したからだ。
 離婚したら、どうなるか、あたしには、よく、分かっていた。
 「SIは、Mちゃんの事、金としか思ってない!!
色にハマる歳でもない!!
いい加減、目を覚ましなさい!!
子どもが居るのよ?!!」
 あたしの剣幕に、KちゃんもYちゃんも、「えり、言い過ぎ!」と止めに入ったが、あたしは、止まらなかった。
 Yちゃんの車で、4人乗り、話し合った。
 KちゃんもYちゃんも、離婚に関しては、「絶対、反対!!」と言った。
 でも、Mちゃんは、SIの事しか、頭になかった。
 Kちゃんは、諭すように、話した。
 「ねぇ、本当に、離婚考えてるの?
それに関して、SI君は、なんて言ってるの?
Mちゃんと結婚するつもりあるの?」
「離婚は、本気で思っている。
ずっと思ってた事だし…。
SI には、離婚のこと話してる。
結婚したいことも…。」
 Kちゃん、パニック!!
 「えっ、えっ、えっ!!
「結婚したい。」って言ったの?!!」
「だって、Kissしたし…。」
「Kiss?!!」
 3人で叫んだ。
 「Kiss…したよ…?
ほっぺだけど…。」
 「ほっぺ。」の答えに、少し安堵した、3人。
 「で!!
SI君は、なんて?
Mちゃんと結婚するって?」
 あたしが、もう一度、聞いた。
 「伝えたら、「なんで、俺が、結婚しないといけねぇの?!!」って…。」
「(SI …。)
(どストレートなみの、フリ方…。)
あのさ…。
もう一度、キツく言うよ?
いつまでも、SIにボケてたらダメ!!
そんな歳じゃないでしょ?!!
それに、ハッキリ、言われてるじゃん。フラれてるじゃん。」
「離婚してないから、そう言われただけ!!」
「子ども達のこと、見てくれると思ってるの?!」
「SIは、子ども好きだから…。」
 このことで、YちゃんとKちゃんは、匙を投げた。
 「もう、好きにしたら?
うちも、Kちゃんも、何も言わないから…。」
 2人は、匙を投げたけど、あたしは、子ども達の為に、口うるさくなった。