黒い桜の花は、散ることしか知らない(上)

 次の日ー。
 Yちゃんと遊んでいたら、Mから、再び、ボウズと泣きが入った。
 「Yちゃん…。
S2店に行ってくる…。」
「S2店?
ああ、Mくん?」
「そう…。
「今日もボウズ。」だって…。」
「じゃあ、うちも行く。」
 YちゃんとS2店に行く事になった。
 S2店の近くになると、Yちゃんが「タバコ買うから。」と、コンビニに寄った。
 あたしは、ついでに、自分用のタバコを買った。
 あたしが買ったのは、YTと同じタバコ。
 「(喜んでくれるかな…。)」
 S2店に入ると、YTが、挨拶に来てくれた。
 「えっちゃん、おはよう。」
「YT、おはよう。」
 YTは、そのまま、ヘルプについてくれた。
 あたしは、バッグの中を、ガサゴソして、タバコを取り出した。
 「YT!!
見て、見て。」
「あっっ!!
俺と同じタバコ!!」
「えへへ。」
「なんで?
なんで??」
 まだ、未開封のタバコを見て、喜ぶYT。
 「(YT、めっちゃ、喜んでる〜!!)
(YTが嬉しいと、あたしも嬉しい!!)」
「あれ…?
でも、えっちゃん、タバコを吸ってるとこ、見た事ないよ?
タバコ、吸うの?」
「すっごく、イライラしてたら、吸っちゃう…。」
「そうなんだ?!
初めて知った…。」
「めったに、吸わないからね…。
大体の人に、吸わない人って、思われてるから…。」
「めったに、吸わないんだったら、それキツくない??」
「まだ、吸った事ないから、なんとも…。」
「えっ!!?
いつもは、違うの?」
「うん。
いつもは、パッケージで、選んじゃうの。」
「そうなんだ。
何で、今回は、それなの?」
「えっ…。
(そこ聞く…?)
(なんて答えよう…。)
(素直に答えようか…。)
す…好きな人が…、これ…、吸っているから…。」
 あたしは、顔が、赤くなるのを、感じていた。
 「好きな人?」
 ムッとした、顔になる、YT。
 「うん…。
その人と、ペアにしたくて…。」
「ふぅん…。
そうなんだ…。」
「(あ…、れ…?)
(イラってる…?)」
「好きな人って、誰?」
「えっ…。」
「俺の知ってる人?」
「うん…。」
「誰?」
 怒っている、YTに驚きながら、YTを指さした。
 「えっ…。
俺…?!!」
 黙って、うなずく、あたしを見て、頬を赤らめて、ニヤニヤする、YT。
 「めっちゃ、嬉しいっ!!
へへへ…。
えっちゃんとお揃い!!」
「うん。
お揃い!!」
「えっちゃん…。
俺…、特別…??」
「うん!!
特別!!」
「やったぁーっっ!!」
 めちゃめちゃ、喜ぶ、YT。
 「(今、YTにお願いしたら、聞いてくれるかな…?)
ねぇ、YT…。」
「ん〜?
何〜?」
「違う席に行く時は、タバコを置いてってくれる…?」
「タバコ…?」
「うん…。
だめ…?」
「いいよ〜!!」
「ホント?!!
やったぁーっっ!!」
 タバコを置いて行くのには、「また、この席に、戻ってくる。」という意味があり、YTには、何度も戻って来て欲しかったから、お願いした。