こういう時に1番に返事をするはずの瑞樹の声が聞こえない。 あれ、瑞樹は…。 「瑞樹はトイレ」 私の気持ちを察したのか何も言ってないのに、アイツは素っ気なくそう答える。 「あぁ…」 どこに座ろ。 横長の机の奥の角に座るアイツ。 横は瑞樹の場所。私は少し迷った挙句、ドアに背を向けて、アイツの斜めに荷物を下ろした。 部屋は多少の模様替えはされているものの、ベッドや勉強机の配置は子供の頃とほとんど変わってなかった。