「俺は前から思ってたんだよ。零がバスケ部に入ればいいのにって。だからすげぇ嬉しい」

「まだ決めた訳じゃないけどな。忙しくなるし、親にも一応相談する。あと…瑞樹にも」


清華の言葉が何度も頭をよぎる。

ここのバスケ部で俺はやってみたいと思った。

正直に言うと、後から入る俺には、バスケで誰かに負けることへのプライドも今はない。


アイツすげぇな…。


そんなことを言い放てる女子を、俺は今までに見たことがなかった。


俺の幼馴染ってこんなに強かったか?

昔は…よく泣いていた記憶がある。


アイツを強くさせたのが、何なのか、少し気になったけれど、ここ最近まで口を聞いてなかった俺にはそれを知る権利はない気がして。

ふと浮かんだ疑問を、頭の隅に追いやった。