え。嘘だろ?無用心すぎる。

取り敢えず玄関に置いたらさっさと去ろう。最近ここの家族と会ってないし、不法侵入かと思われても困る。


いや、不法侵入なんだろうけど。


そう思って入ると、アイツのいつも学校に履いて来ている薄い水色のスニーカーを見つけた。


いるじゃねぇか。


「清華。清華いるか?」


小さくお邪魔しますと呟いて、昔の記憶を辿って清華の部屋だったであろう玄関からすぐの右の部屋に入った。

するとそこには、ベッドに丸くなってすやすやと寝ている清華がいた。


そういえばこいつ……一度寝たら中々起きないやつだった。


「清華ー。母さんからの野菜、置いとくからな」

清華の近くで話しかけるけれど、アイツは一向に起きる気配がない。