「私パス。ジェットコースター苦手で。みんなで行って来て。あそこのベンチで待ってるから」
私はジェットコースターの近くの赤いベンチを指差す。
「じゃあ俺もあそこにいようかな。2人で行ってきなよ」
奏多くんがそう勧めると、2人は申し訳なさそうに「わかった」と言って、ジェットコースターに向かった。
「奏多くん、ごめんね。付き合わせちゃって」
「全然。俺、特別ジェットコースター好きなわけでもないし。あ、あそこのアイスリームでも食べない?」
「んー、食べようかな」
「ベンチで待ってて。俺買ってくるから」
「え、ごめん。ありがと」
私は奏多くんを見送って、大人しくベンチに向かった。