「この前はごめん。俺は別にお前と喋りたくない訳じゃなくて」

「それは!分かってる!私のこと考えて、そう言ったんでしょ……」


「……」


「まっいいじゃない。和解したってことで」

いつの間にか話が終わって、私達の話を聞いていた瑞樹がそう言うと、何のことか分かっていなさそうだった奏多くんも細かく頷いた。


「でも、それとこれとは別で、私はあんたのこと認めた訳じゃないから」

「分かってるよ」


顔を背けたアイツにまた少し苛立ちを覚えたけれど、アイツが思ったより素直だったことに、驚いて。

今日ぐらいはアイツと楽しく過ごしてもいいんじゃないかなんて、私らしくもなくそんなことを考えた。