「最初に乗るのも面白いかもね」


奏多くんがそう言って、結局私達は最初に観覧車に乗ることになった。


別々に乗るのではないかとドキドキしたが、4人で同じ観覧車に乗って、私はひとまず安堵する。


初っ端から奏多くんと2人きりはキツいから、いくらアイツがいると言えど良かった……。


けれど、観覧車の中の席は瑞樹とアイツが隣、奏多くんと私が隣。

それは妥当なんだけど……問題なのは私の前がアイツなこと。


嫌でも目が合ってしまいそうで、目が合いそうになると咄嗟に外を見てやり過ごした。


観覧車は徐々に上昇していく。


「そういえば奏多くんが部活ないの珍しいよね」

瑞樹が不思議そうな顔をしながら、奏多くんに話しかけた。