二人の男性にニヤニヤしながらそう言われ、莉奈の目から涙がこぼれる。助けを呼びたくても体は全く動かず、声は出せないという最悪の状態だ。

「ホテルはいつものところでいいよね？あそこ安くていつも空いてるし」

そう言いながら男性の一人が莉奈の腕を強く掴み、無理やり連れて行こうとする。莉奈は足に力を入れて抵抗するものの、「早く来いよ」と男性の苛立った声に抵抗をやめてしまう。

「そうそう。大人しくしてくれてれば痛い思いしなくていいから」

あまりの恐怖に莉奈はその場に倒れてしまいそうになった。しかし、「お前ら何やってんだよ！！」という声に涙が引っ込む。

莉奈がゆっくりと振り向けば、息を切らせた光貴がいた。光貴が来てくれたことに莉奈は安心し、今すぐにでも光貴のそばに行きたくなる。

「は？お前この子の何？この子、これから俺らとタノシイことするんだけど」

乱暴に男性が莉奈の肩を掴む。すると、「その手を放せ。そいつは俺の女だ」と光貴は男性に近づき、腕を捻り上げて低い声で言った。