時の止まった世界で君は

「ヒック……ぐすっ…」

今日はもう話せないかとあきらめかけていたその時、なつが布団から顔を出してくれた。

そっと、なつの頭をなでる。

「ヒック、ヒック…、う、うわあああん!」

それが引き金となったのか、声を上げて泣き出したなつ。

そうだよね、悔しかったよね。

つらいよな、また我慢ばかりでごめんな。

俺まで切なくなって、泣きそうでなつのことをぎゅっと抱きしめた。

熱のせいで、なつのからだはとてもあつく、ただでさえ体調が優れないであろうことも容易に想像できる。

「絶対、絶対、今度一緒にお出かけしような。なつの好きなことたくさんしよう。おいしいもの食べて、いっぱい楽しもう。約束な。」

「ぜったい…ヒック、ぜったい、だよ?ぐすっ……」

「うん。絶対。約束する。」

小指同士を絡ませて約束のおまじないをかける。

「やくそくだよ」