「はー、入社二日目にして部長と研修とか緊張する」
そう言って机に突っ伏したのは、同じ営業部に配属された新入社員の井手(いで)旭(あきら)だ。
「そうだね、緊張しちゃうよね」
私は違った意味でだけど。と心の中で付け足すと、井手君は勢いよく起き上がった。
そして私に向かってパンッと両手を合わせて頭を下げた。
「ごめん! ……じゃなくて、すみませんでした! 今朝、先輩から聞くまで俺、川端さんが中途採用だと知らなくて……。同い年だと思ってため口で話しかけちゃってごめんなさい」
「そんなっ、気にしないで。たしかに私は井手君より三つ年上だけど、同期だもの。むしろ気軽に話してくれたほうが嬉しいから」
そう言うと顔を上げた井手君は、細い目をさらに細めた。
「じゃあそうする。……改めてこれからよろしくな」
「うん、こちらこそ」
失礼ながら、ニッと白い歯を覗かせて無邪気な笑顔を向ける井手君は実に可愛い。弟がいたら、こんな感情を抱くのかも。
昨日の入社式は中途採用と新卒同時に執り行われた。中途採用は新卒に比べてほんの一握りで、ほとんどがフレッシュな人ばかり。たった三年、されど三年。若さが眩しかった。
そう言って机に突っ伏したのは、同じ営業部に配属された新入社員の井手(いで)旭(あきら)だ。
「そうだね、緊張しちゃうよね」
私は違った意味でだけど。と心の中で付け足すと、井手君は勢いよく起き上がった。
そして私に向かってパンッと両手を合わせて頭を下げた。
「ごめん! ……じゃなくて、すみませんでした! 今朝、先輩から聞くまで俺、川端さんが中途採用だと知らなくて……。同い年だと思ってため口で話しかけちゃってごめんなさい」
「そんなっ、気にしないで。たしかに私は井手君より三つ年上だけど、同期だもの。むしろ気軽に話してくれたほうが嬉しいから」
そう言うと顔を上げた井手君は、細い目をさらに細めた。
「じゃあそうする。……改めてこれからよろしくな」
「うん、こちらこそ」
失礼ながら、ニッと白い歯を覗かせて無邪気な笑顔を向ける井手君は実に可愛い。弟がいたら、こんな感情を抱くのかも。
昨日の入社式は中途採用と新卒同時に執り行われた。中途採用は新卒に比べてほんの一握りで、ほとんどがフレッシュな人ばかり。たった三年、されど三年。若さが眩しかった。



