新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

 ジョージさんの背中に腕を回してしがみつくと、彼は「そうだな」と呟いた。

「俺も涼とは、大勢の人に祝福されて幸せな結婚がしたい。……そのためにも父さんと母さんに、涼のことをしっかり紹介させてくれ」

「はい」

 顔を上げると、重なり合う視線。どちらからともなく笑顔になる。

「好きだよ、涼」

「なっ、なんですか突然!?」

 いきなり愛の言葉を囁かれ、恥ずかしくてテンパる。

「いや、好きだなって思ったから言っただけ。本当、どうしてこんなに涼のことが好きなんだろう」

「……それは私に聞かれても困ります」

「それもそうだな」

 なんて言って、ジョージさんは声を上げて笑う。

 でも私も同じ。どうしてこんなにジョージさんのことが好きなんだろうって思う。好きって気持ちは日に日に大きくなっているし。

 これほど好きになれる人と出会えて幸せだよね。この幸せがずっと続くように、彼のご両親に会うときは粗相がないように気をつけないと。

 ジョージさんの無邪気な笑顔を見ながら、心からそう思った。