新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～

　ジョージさんだって私の両親に挨拶に来てくれたんだもの。私だってしっかりと彼のご両親に、挨拶をしないといけないとわかっている。……わかっているけれど、やっぱり緊張するし怖くもある。

「俺はずっと、早く涼とのことを公表したかったよ。涼がいるのに、いつまでも彩香と婚約していると思われているのが嫌だった」

　ジョージさんは私の身体を離すと、真剣な瞳を向けた。

「両親にもだ。結婚を決めた女性がいることを伝えたかった」

「ジョージさん……」

「昔から父さんのことが苦手だった。だから彩香とのことも、なかなか打ち明けられずにいたんだ。でももう父さんから逃げずに、向き合うと決めたんだ。……そのとき、隣に涼がいてくれたら心強い」

　彼の言葉が嬉しくて、ポロポロと涙が零れ落ちた。

「はい……はい！」

　首を縦に振りながら返事をすると、ジョージさんは優しく私の涙を拭ってくれた。

「なにがあっても俺が守るから。だから涼はただ、俺の隣にいてくれたらいい。……それに父さんも母さんも、涼に会ったらお前の良さを必ずわかってくれると俺は信じている。だからそんな会う前から緊張するな」

　声にならなくて何度も頷くと、ジョージさんは再び私を抱きしめた。