新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

「私は大丈夫です。……それよりジョージさんこそ大丈夫ですか? 会社での立場が悪くなったりしませんか?」

 営業部の先輩たちは受け入れてくれたけれど、他の人たちがみんな好意的に受け入れてくれるとは限らない。

 また噂が変に広まってしまう可能性だってある。

 心配で聞くと、ジョージさんは私を抱きしめる腕の力を緩めた。振り返って彼を見つめる。

「ジョージさんは……ううん、金子さんも大家さんも、誰も悪くないのに、誰かが悪者にされるのはすごく嫌です」

「涼……」

 ジョージさんも大家さんも金子さんも、私にとって大切な存在。だからこそ嫌なの。
 その思いで言うと、ジョージさんは真正面から私を力いっぱい抱きしめた。

「本当に涼は……どれだけ俺を好きにさせたら気が済むんだ?」

 ため息交じりに言うと、ジョージさんは続けた。

「今日、噂を耳にした父さんからさっそく呼び出されたよ。今度の日曜に、涼を家に連れてこいって」

「えっ! 社長がですか!?」

「あぁ」

 そう、だよね。社内で噂が広まったら当然社長の耳にも入るはず。