新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～

「それと俺は、川端の真摯に仕事に取り組むところにも惹かれたんだ。どうか彼女がここで仕事を続けづらくならないよう、配慮願いたい」

　深々と頭を下げ出したジョージさんに、目頭が熱くなる。

　ジョージさんってば、どこまで優しくて素敵な人なの？　自分が悪者になり、私のことまで気遣ってくれるなんて……。

　私なら喜んでジョージさんとともに、悪者にだってなるのに。

「もちろん仕事とプライベートを混合するつもりはない。今後もどうかよろしく頼む」

　私はただ、最後に「今後もよろしくお願いします」と言って、頭を下げることしかできなかった。



　この日の夜。帰宅すると同時にジョージさんは心配そうに今日のことを聞いてきた。

「あの後、大丈夫だったか？　悪かったな、すぐに呼ばれてそばにいてやれず」

「大丈夫ですよ。皆さん、普通に接してくれましたし。……ただ、どうやってジョージさんを落としたのかとか、プライベートのジョージさんはどんな感じなのかとか、散々聞かれましたけど」

　玄関からリビングへ移動しながら話すと、ジョージさんはクスリと笑った。

「そうか、それは大変だったな。それで涼はなんて答えたんだ？」

「もちろん誤魔化しましたよ。……素直に話せるわけがないじゃないですか」