新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～

「それじゃまたよろしくお願いします」

「はい、こちらこそ今後もよろしくお願いします」

　深々と頭を下げて店を後にする。これから会社へ向かい、ジョージさんに報告をして、一ヵ月後に迫っている商談会に取りかからないと。

　これからやることを頭の中で整理しながら駅へと歩を進めていると、スマホがなった。

「誰だろう」

　確認すると電話の相手は井手君だった。

　仕事中のはずなのに、どうしたんだろう。なにかあったのかな？

　不安に思いながらも電話に出ると、すぐに焦った井手君の声が聞こえてきた。

『もしもし、川端さん!?　Ｓスーパーのほうはもう終わった!?』

「うん、終わったけど……なにかあったの？」

『あったもなにも、大変なんだ！　社内は朝から、新川部長と金子さんの話題で持ちきりでさ!!』

「えっ、どういうこと？」

　どうして今さらジョージさんと金子さんの話が？

　足を止めて聞くと、井手君は早口で捲し立てる。