新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

「それならいいですけど。無理はしないように。仕事に慣れてきた頃が一番体調を崩しやすいですからね」

「小川さん……」

 優しい言葉をかけてもらい、ますます申し訳ない気持ちになる。

「ありがとうございます。気をつけて頑張ります!」

 笑顔で伝えると、珍しく小川さんが笑った。

「ん、元気でよろしい。それじゃお願いします」

「はい!」

 小川さんの他に店舗スタッフにも手伝ってもらい、どうにか開店前に終えることができた。

 そして開店後、お客様が立ち止まって新商品を見て、何人もの人がかごに入れているのを見て、ホッと胸を撫で下ろした。

「CMで流れているキャッチフレーズもいいですし、ポップも目を引きます。後ほど追加で発注をかけておきます」

「ありがとうございます」

 商品開発部やマーケティング部、それだけじゃない。色々な部署が関わって、やっと商品として店頭に並ぶ。

 それを直接こうして手掛けて、実際に売れるところを見られる営業の仕事が、改めて大好きだと思える。