新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

 もう何度もキスしているけれど、いまだに慣れない。彼のほうが何枚も上手だ。今も私の反応を見てクスクスと笑っているし。

「陸の新刊が発売されたら、祝いに行ってやろう。もし内容がひどかったら、文句も言いに行かないとな」

「……そうですね」

 なんだかそのときの様子が目に浮かぶ。ジョージさんはすごく怒っているけど、大家さんは笑ってかわしていて、金子さんと私はふたりのやり取りを見て呆れるの。

「どれ、一通り片づいたし出かけようか」

「はい」

 ジョージさんが運転する車で向かったのは、都内のホームセンター。

 家を出る前に、ふたりで足りないものを書き留めてきたおかげで、買い物はスムーズに進んでいく。

 お揃いのコップやお皿などを買い、洗剤や掃除用具など日常品も買い揃え、次に向かった先はマンションから一番近くにあるスーパー。

 ジョージさんにカートを押してもらい、食材を見て献立を決めて次々とかごの中に入れていく。

 こうやってふたりで買い物をしていると夫婦みたい。もしかしたら周りの目にはそう映っているのだろうか。

 そう思うと、嬉しくてたまらない気持ちになる。