「じゃあ私、急いで荷解きしちゃいますね」

 荷物は昨日のうちに業者に頼んで搬入済み。マンションは3LDKの間取りとなっており、ジョージさんの書斎とふたりの寝室、そして私の部屋を用意してくれた。

「案内するよ」

「ありがとうございます」

 どうやら私の部屋は、リビングを出てすぐ右の部屋のようだ。

 さっそく荷解きしちゃおうと思ったんだけど、なぜかジョージさんも部屋に入ってきた。そしてダンボールを開けようとするから、急いで止めに入る。

「ちょ、ちょっとジョージさん! 大丈夫ですから!」

 それに、彼が開けようとしたダンボールには下着が入っている。見られたら恥ずかしい。

 身体を使ってダンボールを死守すると、ジョージさんはにっこり微笑んだ。

「ふたりでやったほうが早いだろ? 俺も手伝うよ」

「えっ!? いえいえ、大丈夫ですから。ジョージさんはほら、持ち帰った仕事とかあるんじゃないですか?」

「涼と一緒に過ごすとわかっていながら、仕事を持ち帰るわけないだろ? ほら、それは俺が片づけてやるから」

「だっ、大丈夫ですから……っ!」

 変な攻防戦を繰り広げて、ふと気づく。ダンボールには下着類と記してあった。……ということは、これはまたからかわれているだけ?