「約束する! ……だけどやっぱりそっか。涼ちゃんが運命を感じた相手はジョージだったんだね」

 しみじみと言われると、恥ずかしい。だってあのときの私、それはもう興奮状態でベラベラとしゃべっていたもの。

「ジョージのいる営業部に配属されたんだって? すごいな、本当にふたりは運命の赤い糸で結ばれているのかもね」

「えっ?」

 柔らかい笑みを浮かべて言われた言葉に、焦りを覚える。

 あれ? 大家さんは知らないのだろうか、新川部長と金子さんが婚約しているということを。

 いやいや、一緒に住んでいるしなにより大家さんと新川部長は幼なじみだって言っていたよね? それなのに知らないわけがない。

 だったらなぜ私と新川部長が『運命の赤い糸で結ばれているのかもね』などと言ったのだろうか。

 叶わない恋をして不憫だと思い、慰めようとしてくれたとか? でも大家さんの表情からはそう思って言っているようには見えない。

 真意が読めなくてジッと見つめていると、大家さんは人差し指を立てて話し始めた。