新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

「那須は、遊ぶところがいっぱいあるよね」

「はい。牧場や遊園地にも行きたいねって話しているんです」

「うんうん、行ってきなー。お土産話、たくさん聞かせてね。……それと夜のお話もこっそりと」

 運転手に聞こえないように耳打ちされ、すぐさま金子さんを見れば、ニヤニヤして私を見ていた。

「あのジョージが好きな子にはどんな風にするのか、すごく興味がある! だから絶対教えてね!」

「えっと……はい」

 とはいえ、金子さんに話したら間違いなく大家さんにも伝わり、ふたりしてジョージさんをからかう未来図が、おもしろいように思い浮かぶ。

『はい』とは言ったが、絶対に口外しないようにしよう。なによりそういう話をするの、すごく恥ずかしいもの。

「車で行くんだよね? ジョージに運転には、くれぐれも気をつけるよう言っておかないと。……ふたりの帰りを陸とふたりで待っているね」

「はい」

 金子さんと大家さんに、お土産を買ってこよう。それと井手君にも。

 考えれば考えるほど、楽しみで仕方がない。それは旅行の日が近づくたびに大きくなるばかりだった。