新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

 気づけばお互いの手には、ショップ袋でいっぱい。帰りはタクシーで帰宅することにした。

「引っ越しちゃったら、なかなか思うように会えなくなるし、この二ヵ月の間にふたりでもっと出かけたいね」

「ぜひ。私も金子さんと遊びに行きたいです」

「本当? 行こう行こう! ジョージは陸に相手してもらえばいいしね」

 大家さんと金子さんは約二ヵ月後、親族と親しい友人だけを招いた小さな結婚式を挙げる。

 その後、地方に移り住む予定だ。ふたりで実際に足を運び、なんと中古の一軒家を購入してきた。

 写真を見せてもらったけど、二階建ての家で庭は広々としており、裏の畑もついてくるとか。

 金子さんはさっそく家庭菜園をはじめると意気込んでいる。大家さんも自然豊かな環境を気に入り、あそこでなら今よりもっといい作品が書けると言っている。

 それを聞いてジョージさんは『現金な奴らだ』なんて言っていたけれど、ふたりの幸せそうな姿を見て嬉しい反面、寂しそうにも見えた。

 私とジョージさんもふたりの結婚式に招待されており、今からとても楽しみにしている。