中途採用の日に会っていた? 覚えていない自分が悔やまれる。……だけどそうか、俺の何気ない一言が川端のためになったならよかった。

「初恋でさらに入社式で運命的な再会を果たし、勝手に盛り上がっていた矢先に、ジョージさんの婚約者が金子さんだと知り、そこで気づいたんです。私、本当のジョージさんを知ろうともせずに、勝手に理想を押し付けていたと。でも、知れば知るほど私もジョージさんに惹かれていきました」

 川端は一生懸命伝えてくれるが、信じられない。本当に俺のことを好いてくれているのか?

「仕事中の姿はすごくカッコよくて、憧れの尊敬できる上司で。……本当のジョージさんはちょっぴりイジワルだけど、優しくて寂しがり屋で。知れば知るほど好きになっています。もっと私、ジョージさんのことを好きになる自信があります!!」

 なんだよ、それ。もっと俺を好きになる自信があるって。

「それを言ったら俺もだから」

「えっ? わっ!?」

 彼女の腕を引き、力いっぱい抱きしめた。

 甘くてあたたかなぬくもりを感じ、じわじわと実感していく。気持ちが通じ合ったのだと。