「どういうことですか? ジョージさん。……さっきの。私を誰にも渡したくないって……!」
 自分で言っておきながら恥ずかしくなったのか、川端の頬はみるみるうちに赤く染まっていく。

 そんな彼女が可愛くて、触れずにはいられなくなる。そっと頬を撫でると、川端はギュッと瞼を閉じた。

「そのままの意味だよ。……川端が好きだから誰にも渡したくないんだ」

 瞼を開けた川端に愛の言葉を囁くと、信じられないと言うように目を丸くさせた。

「嘘……。ジョージさんが私を好きだなんて」

 信じてくれない彼女に伝わるよう、優しく頬を撫でて伝える。

「嘘じゃない。好きなんだ、川端のことが。……みっともなく嫉妬して独占欲を剥き出しにしてしまうほどな」

 ちょうどシェアハウスに着き、再び彼女の手を引いてタクシーから降りた。

 家の中には明かりが灯ってる。陸と彩香がいるのだろう。

 ふたりがいたら、変に気遣われたり、茶化されたりで伝えられるものも伝えられない可能性もある。

 そう思い、玄関前で足を止めて川端と向き合った。