居たたまれなくなり立ち上がると、ふたりは「ジョージがお礼を言った!」「明日は雨かもしれない」と失礼なことを言い出した。

「俺だって礼くらい言うわ。……本当に感謝している。昔からずっと」

 ふたりの存在に何度助けられてきたか。

「川端に気持ちを伝えられたらまた報告する」

 そう告げ、自分の部屋に向かおうとしたが、勢いよくふたりは俺に抱きついてきた。

「ジョージー!! なんだよ、泣かせるようなことを言うなよ」

「頑張ってね、ジョージ。私たちはいつだってジョージの味方だからね!!」

「わ、わかったから」

 ふたりともギュッとしがみついてきて重い。……だけどそれ以上に嬉しくてたまらない。

 ふたりのように俺も幸せになりたい。その相手は川端がいい。とにかく俺の気持ちを伝えよう。……そう、思ってはいたものの次の日の朝も、気づいたら川端は家を出た後だった。

 俺だけではなく、陸や彩香も気づかないうちに出ていったようだ。

 それなら会社で話す機会を設けるのみ。……しかしそういう日に限って急な会議が入り、営業部に足を運べず。

 そうこうしているうちに一日が終わり、次の日には打ち合わせが入り……。
 川端と話ができないまま二日が過ぎた。