「全部俺のせいだっ……」
「――え」
彼は俯き、ゆっくりと話し出した。
「彩香が仕事にどんな思いを抱いているのか、上司として誰よりも一番知っている。川端の教育係を任せたときは、務まるか不安と言いながらも嬉しそうで、責任を持って一人前に育てると意気込んでいて……。誰よりも仕事に誇りを持ってやっていた」
私は口を挟むことなく、ジョージさんの話に耳を傾けた。
「陸が生き生きと働く彩香が好きだと言っていたんだ。それなのに仕事を辞めさせることになり、共同開発の話も白紙になってしまった。全部父さんを説得できなかった俺のせいだ」
「そんなっ……! そんなことありません、ジョージさんのせいじゃないですよ」
たまらず声を上げて否定するも、ジョージさんは首を横に振る。
「いや、俺のせいだよ。……もっと早くに彩香と婚約を解消していれば、こんな結末にならなかったかもしれないだろ? 彩香の父親が経営する会社にも、大打撃を与えずに済んだ」
「それは、“たられば”の話です」
「――え」
彼は俯き、ゆっくりと話し出した。
「彩香が仕事にどんな思いを抱いているのか、上司として誰よりも一番知っている。川端の教育係を任せたときは、務まるか不安と言いながらも嬉しそうで、責任を持って一人前に育てると意気込んでいて……。誰よりも仕事に誇りを持ってやっていた」
私は口を挟むことなく、ジョージさんの話に耳を傾けた。
「陸が生き生きと働く彩香が好きだと言っていたんだ。それなのに仕事を辞めさせることになり、共同開発の話も白紙になってしまった。全部父さんを説得できなかった俺のせいだ」
「そんなっ……! そんなことありません、ジョージさんのせいじゃないですよ」
たまらず声を上げて否定するも、ジョージさんは首を横に振る。
「いや、俺のせいだよ。……もっと早くに彩香と婚約を解消していれば、こんな結末にならなかったかもしれないだろ? 彩香の父親が経営する会社にも、大打撃を与えずに済んだ」
「それは、“たられば”の話です」



