新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~

 寝顔は幼くて可愛い。え、本当に可愛い。なに? この無防備な顔は。

 できるならずっと見ていたいほど。しかしタクシーはあっという間にシェアハウスに到着した。

「着きましたけど、大丈夫ですか? お相手」

「はい、大丈夫です」

 心配する運転手に「ありがとうございました」と伝え、起こしにかかる。

「ジョージさん、起きてください。家に着きましたよ」

 大きく身体を揺すると、ジョージさんは顔をしかめながらも起きてくれた。

「よかった。降りますよ、ジョージさん」

 ホッと胸を撫で下ろしながらドアを開けて先に降りる。そしてジョージさんに降りるよう促すと、焦点が定まらない目で私を見据えた後、手を伸ばした。

「……ん」

「えっ?」

 えっと、これは手を引っ張れってこと?

 判断に迷っていると、ジョージさんは「早くして」と言う。

 な、なに? この可愛い甘えっ子は。ジョージさんって酔うと、こうなっちゃうんだ。

 胸をキュンとさせていると、運転手に「やっぱり手を貸しましょうか?」と心配されてしまった。