「状況が状況だけに、金子さんの送別会が先になっちゃったけど、みんなと落ち着いたら井手と川端さんの歓迎会をやる計画を立てているんだ。そのときはまた参加してね」

　私と井手君の歓迎会も計画してくれていたんだ。前の会社では送別会はもちろん、歓迎会もやってもらっていないから、すごく嬉しい。

「ありがとうございます」

　嬉しさを噛みしめてお礼を言うと、先輩は「当然でしょ」と言いながら、「それにみんな、なにか理由をつけて飲みたいしね」と付け足し言うものだから、思わず笑ってしまった。

「さて、と。俺は井手を送っていかないと。それにみんな酔っているし、あの新川部長も酔い潰れちゃったから、そろそろお開きになるかな」

「新川部長がですか？」

　すぐさま目を向けると、テーブルに突っ伏しているジョージさんがいた。

「俺も初めて見たんだ、酔い潰れた新川部長は。やっと金子さんとの結婚が決まって嬉しかったのかもね」

「そう、ですね」

　ううん、きっと違う。ジョージさんが酔い潰れた理由は。