なんとか午前の授業を乗り切り(と言っても、ほとんど寝ているか谷川明輝人の事を考えているかだが。)、昼食の時間になる。
私の係はご飯・牛乳だ。
今日の担当は……ご飯の行き帰りか。
他のおかずは行き帰りで別々の人がいるのだが、何故かご飯だけは行き帰り同じ人がする。
言っちゃ悪いけど、すこぶるめんどくさい。
何故同じ人が行くんだ。
渋々ご飯の行きを終えた私は、静かに席につき、本の世界を堪能していた。
本というものは素晴らしいと思う。
現実を忘れさせ、まだ見ぬ世界へ連れ込む。
そして、人々はその世界を夢見る。
日々の妄想や想像は全て人間によって作り出されたものであることがよくわかる。
自分の中で思考を巡らせていると、すぐに給食を取りに行け、と先生から言われた。
班で順番に取りに行くため、こうして先生がいちいち呼ぶのである。
こういう時、つくづく先生という生き物は大変だと思う。
世の中に従わなければいけない。
そして、それを生徒に教えこまなければいけない。
私だったら、そんな日常には耐えられそうにないな。
