そうやっていつものように考え事をしながら自転車をこいでいると、すぐに校舎が見えた。
校舎の手前にある自転車小屋の3年5組の所に自転車を止めて荷紐を解いていると、隣に君の自転車が止まった。
その時、とくん、と心臓がなった。
この学校の自転車小屋は他の学校より広いが、生徒が多いので自転車と自転車の間隔が狭い。
邪魔にならないよう、できるだけ素早く解き、荷物を持って教室まで早歩きで歩いた。
しばらくして、後ろの席に君が座る。
とく、とく、とく。
少しずつ速く、大きくなっていく鼓動が君に聞こえないだろうか。
あるはずないけれど、そう、考えてしまう。
もし……君が私を少しでも意識していたら。
好き……だったら。
どれだけ楽だろう。
どれだけいいだろう。
まぁ、現実ではありえないだろうけど。
