最後の夏に君に恋する

『ただいまー』
家に入り、そう叫ぶ。
恐らく、皆もう帰っているだろう。

「おかえりー」
今のは……母親か。父親は確か夜帰ってくる。

弟は…
「おっ、おかえりー!」
いた。
いや、いてもいなくてもいいけどさ。

私は今絶賛反抗期中らしく、すぐにイライラする。
特に新学期始まってから。
日中はハイテンションだが、部活になると急激に下がる。
まぁ、行きたくないし仕方ないのだけれど。

家にいる時間も嫌いだ。
母親も、父親も、弟も、皆皆、大嫌い。
両親に関しては別にいつ死んでくれても構わない。
人にこれを言ったら、「酷い」だとか、「両親のおかげで生きているのに!」とか、思うだろう。

けれど、私は最近思うんだ。
何故、感謝しなければいけないのだろうか。
2人のおかげで生きているのもあるが、元々2人の自己満足で私は生まれてきた。
2人の欲によって生きなければならなくなった私は、なんと理不尽なことだろうと時々思う。

「楽しいって感じるのは生まれてきたからじゃん!」とか、思うかもしれないが、理不尽な毎日を少しでも楽しもうと工夫しているだけだ。
それが出来なければ、自殺や自傷行為で逃れようとする。

これが社会であり、現実だ。
また、人を傷付けることで楽しもうとする人もいる。
[人間]を簡単に説明してしまえば、こうなるだろう。