これは、ギラギラと炎陽に照らされたとある日のことだ。
僕には最近結婚した人がいる。彼女は、白いワンピースに黄色いリボンのカンカン帽子がよく似合う人だ。子供好きでとても優しく笑った顔はとても愛らしい。
そんな彼女のお母さんが、先日亡くなった。不治の病だったそうだ。街から離れた里にに住んでおり病院も遠く通院は困難だった。入院をすすめても「人生の最後の景色が病院の天井なんか嫌だね」と言い張り、家で様子を見ることになった。携帯も持っていないものだから彼女は、毎日手紙を書いて送っていた。返信は、1度も来たことないが…
それでも彼女は、毎日楽しそうに便箋を選んでいた。
結局彼女のお母さんは、家で1人息を引き取ったそうだ。気付いたのは近所に住む菊子さんで、里にある唯一の病院だ。菊子さんは、月一の検診にお母さんが来なかったため不思議に思って家まで来てみたそう。
そこで庭を眺めながら眠っている彼女のお母さんを見つけたらしい。
その後無事葬式も終わり、遺品整理のため彼女の実家に重い足を運ばせた。