確かに母親の言う通り、小児外科医になるのは難しい。

小児外科医は他の心臓外科医などとは違い、全身の病気について深い知識が必要になってくる。また、治療や薬などは子ども一人ひとりによって変えなければならない。そして、子どもは的確に症状を説明することができない場合も多く、表情や仕草などから読み取る洞察力も必要になってくる。子ども相手のため、他の医者がしないような仕事もしなければならないこともあるのだ。

「……難しいのはわかってる。でも!僕は小児外科医の先生たちに手術してもらったから生きることができてる。小児外科医の先生たちがいなかったら、きっと今僕は生きていない。だから、どうしても小児外科医になりたいんだ!」

青葉は腸の病気によって幼い頃は小児外科病棟に入院していたことがある。そこで医師たちに助けられ、小児外科医になりたいと夢を見つけたのだ。

「青葉くん、まだ時間はあるからもう少しゆっくり考えてみようか。小児外科医という夢についてもじっくり考えてみて」