「あたしは生温かく見守るって決めてるのー。まあ筒井は諦めは悪そうだけど後クサレなさそうだし、糸子も『レンアイお試し体験』と思ってチャレンジしてみれば?ダメならダメでムダにはなんないと思うけどな」

「それでいーですよ、もうー。今なら無料(タダ)にするんでー」

泣き真似が続き、誰にどうツッコんでいいのか分からない。

「よかったねー糸子。練習台としては悪くないから筒井は」

あっけらかんと笑うエナ。

「ひどいー。もっと後輩を大事に扱ってくださいよーっ」

「だからちゃーんと糸子の攻略法だって教えたでしょ?」

「当たって砕けろとか、そんなのばっかじゃないですかー」

勢いよく顔を上げた筒井君は、恨みがましそうに言ってジョッキのハイボールを喉に流し込む。

「オレは砕けても合体しますからねー!」

「意味わかんない」

・・・・・・ちょっと同感。