黙って俺を好きになれ

静かな声だった。反射的に筒井君を見上げる。真剣な目と合って。動けなくなった。

先輩の顔がよぎった。よそ見をするなと笑った。

眸が歪んだ。声にならなかった。でも心は叫んでいた。

「・・・オレじゃダメですか?」

悲しそうな笑い顔。

「昨日の人、・・・送別会の帰りに会った高校の先輩?」

小さく頷く。

「あの人が好きなの?」

好き。

・・・・・・だったんだろう、きっと。目を伏せた。

想いが淡すぎてあれが初恋だと気付きもしなかった。今の今まで。