黙って俺を好きになれ

駅を使って電車で移動だとばかり思っていたら。レンタカーを借りてきたとミニバンをアパート脇に路上駐車させていた。普段も社用車を使っているんだろうけど、目にしたことがなかったから新鮮に映った・・・のは素直に認める。

お父さん以外の男の人の運転で助手席に乗るのも初めてで。眼鏡をかけハンドルを握ってる筒井君は妙に男らしく見えた。・・・吊り橋効果やスキー場効果みたいな錯覚だろうか。

私服は今回も真面目すぎず不真面目でもない感じだ。ベージュの細身のパンツにストライプ柄のシャツ、上からざっくりしたセーターを被り足許はワークブーツ。

あまりちぐはぐな格好だと筒井君に恥ずかしい思いをさせそうで、自分はライトグレーのリブニットにバーバリー柄のフレアスカート、ショートブーツにダウンコート・・・っていうコーディネートをどうにか捻り出した。

「通勤じゃない私服もカワイイですよ、糸子センパイ」

「・・・ありがとう」

「服だけじゃなくて全部カワイイから好きなんですけどね」



口調まで間延びしなくなってて、着ぐるみを脱いだ筒井君は調子が狂うから困る。・・・とても。