とにもかくにも一部始終を見られていたのは間違いなく。ここにこうしている理由も、先輩ははぐらかして教えてはくれないだろう。
部活を終えた生徒達がまばらに通り過ぎてく正門前、約束もしていないのに自転車にまたがって私を待っていたあの頃と。あなたは何が変わりましたか。
革張りの後部シートに遠慮がちに収まり、何を話せばいいものかと考えあぐねてしゃちほこ張る。相変わらず先輩の腕は肩を抱くように巻き付いたままだった。
お正月で年始回りでもあったんだろうか、お酒と煙草と、このあいだとは違う甘く絡みつくような香水の香り。・・・どっちかと言えば女の人が付けていそうな。
「お前、食わないものは?」
身長差で頭の上のほうから聞こえた声に横を振り仰ぐ。涼しそうな横目がこっちを向いていた。
「いえ・・・わりと雑食だと思います」
「ならいい。料理は自分でする方か」
「いちおう自炊はしてます。ご飯と味噌汁があればどうにかなるので」
脇に置いた紙袋を見やって言う。・・・・・・できたら松前漬けは冷蔵庫に入れておきたかった。
「得意な料理はなんだ?」
訊かれて答えを探しながら。小暮先輩からの質問がなんだかお見合いか何かみたいだと、ぼんやり。
部活を終えた生徒達がまばらに通り過ぎてく正門前、約束もしていないのに自転車にまたがって私を待っていたあの頃と。あなたは何が変わりましたか。
革張りの後部シートに遠慮がちに収まり、何を話せばいいものかと考えあぐねてしゃちほこ張る。相変わらず先輩の腕は肩を抱くように巻き付いたままだった。
お正月で年始回りでもあったんだろうか、お酒と煙草と、このあいだとは違う甘く絡みつくような香水の香り。・・・どっちかと言えば女の人が付けていそうな。
「お前、食わないものは?」
身長差で頭の上のほうから聞こえた声に横を振り仰ぐ。涼しそうな横目がこっちを向いていた。
「いえ・・・わりと雑食だと思います」
「ならいい。料理は自分でする方か」
「いちおう自炊はしてます。ご飯と味噌汁があればどうにかなるので」
脇に置いた紙袋を見やって言う。・・・・・・できたら松前漬けは冷蔵庫に入れておきたかった。
「得意な料理はなんだ?」
訊かれて答えを探しながら。小暮先輩からの質問がなんだかお見合いか何かみたいだと、ぼんやり。



