黙って俺を好きになれ

梨花は七美達に、結婚式は後回しと言い繕ってくれたけど現実には無理なこと。私達の結婚に小暮家は一切干渉しないし、家族を無駄に巻き込まない為にも、幹さんは身寄りがない筋書きを用意していた。

新婦側しか親族が揃わない式は挙げない意思を両親に告げ、せめて写真だけでもとお母さんに強く勧められたものの、つわりでそれどころじゃなくなって。

幹さんからは、赤ちゃんが無事に生まれたら世界一似合うドレスを着せてやる、と大胆な約束をもらった。今じゃなくてもいいと納得していた。・・・でも志保のご両親の嬉し涙を見ていて、親子の節目には必要なセレモニーなのかもしれないと、ふと思えたのだ。

「俺の為に着ると言わないところはイトコらしいが」

苦笑いの気配。

「梨花の知り合いにカメラマンの卵がいるとかでな。練習台でドレス姿を撮らせてやってくれと頼まれた。今ぐらいなら体調も落ち着いてるだろう。明日、会ってみるか?」

「!」