黙って俺を好きになれ

「終わったか」

「・・・はい」

頭の上に乗せられた掌の温もり。この手が失くなったら私は生きていけない。いつかそうなる日が来たら自分がどうなってしまうか、想像もつかないけど。

後部シートに幹さんと乗り込むと、タイヤを鳴らして方向転換した車はその場に立ち尽くす筒井君の横を通り過ぎた。あっという間で表情も分からなかった。・・・山脇さんが意図的にしたようにも思えた。

ふたたび闇の中に滑り出した車内で私を抱き寄せ、しばらく幹さんは無口だった。私も黙ったままでいた。

さっきの光景が瞼の裏を掠める。こめかみに銃口を突き付けた姿。銃声。もし一発目に銃弾が装填されていれば。

本当に死んでいたかもしれないのに迷いなく引き金を引いた。普通の幸せに換えて、これが自分の愛し方だと証明したかったんですか?私と筒井君に・・・・・・。